"Logue"Nation

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あの「チェチェコリ」をもとめて

2004年の文章の再録:

●「チェチェコリ」ないし「チェッチェッコリ」に関して、一応の結論をまとめておきたい。
●けっこう、いまだに「チェチェコリ」情報を求めている人が少なくないようなのだ。
●すでに「チェチェコリ」に関しては、二回ほど言及したが(02年09月26日付け、03年03月25日)、そこで触れていない情報と、それに関して思うところもあわせて少々。
●「チェチェコリ」はもとガーナの民謡。「チェチェコリ、チェッコリッサ、リサンサマンガン、サンサマンガン、ホンマンチェチェ」の歌詞が、「二酸化マンガン、酸化マンガン」に聞こえた経験を持つ人は多く(わたくしも含めて。なお、ほかの空耳もアリ)、わりと話題にのぼりやすい。
●最近では、「スマスマ」(での木村拓哉の発言。わたくしは未見。)や「まる「福」茶」(サッポロ)のCM(女の子二人が踊る)、ハルカリ「エレクトリック先生」(元ネタになっている)、などが大きな呼び水になっている。
●幼時に触れた人が多い。ネット上に流布している情報は、基本的に、ボーイスカウトでやったもの、あるいは、幼稚園のお遊戯でやったもの、というところ。ただ、これはたぶんスローテンポのものだと思う。
●最近、運動会などで流れているのは、早いテンポのもの。これは、ここに言及がある(大杉久美子の曲をまとめてらっしゃるサイトとお見受け)。以下、引用。

作 詩 中沢善宏
作 曲 ガーナ曲
編 曲 角田圭伊吾
 歌  大杉久美子
収録盤 TS-1437
ひとこと 「中沢善宏ダンス教材」。未聴です。

引用終わり。おそらく音源はこれだと思う。踊りを示した指導用のものもあり、わたくしはそのコピーも入手した。
●この曲は、すごい。アレンジがムダにすごい。コンガなのかタムタムなのか、とにかくリズムを刻んだあと、おもむろにギター、ベースが入り、ブラスがさらに重なって、アップテンポの踊り出したくなるような前奏が始まる。
●前奏が一段落ついたところに、それとあまりに趣の違う少年少女コーラスで「チェッチェッコリ、チェッコリッサ、リサンサマンガン、サンサマンガン、ホンマンチェチェ」という歌が入る。 歌は、少年少女コーラスと、「うたのおねえさん」(たぶん大杉久美子)とが交互に歌う。「チェチェコリ、チェッコリッサ、腰を振って、サッサ踊れ、ホンマンチェチェ」と、日本語の歌詞もつく。たぶんこれは原曲の訳詞ではないもの。
●間奏は再び、アレンジ切れまくり。運動会で低学年の玉入れのBGMで用いられる場合、歌のとき玉入れ、間奏時は玉を入れてはならず、輪になって腰に手を当てておしりで拍を数える動作をするようにしているところが多い。これは、はじめは間奏時にきちんと「チェチェコリ」のダンスをやっていたのだろうが、玉入れで疲れている低学年には少々難しいことと(低学年は本当に早く疲れてしまう)、単純に「腰を振る動作がかわいい」こととでそうなったものとわたくしは推測している。
●ちなみに、わたくしが小学校の教育実習をしていたときも運動会があったが、1年生がまさにチェチェコリによる玉入れをしていて、そのとき、観客の、親も、そして中学年も高学年も、腰を振って拍をとっている1年生に、ありていにいって「萌えて」いた。
●小学校の先生は、親を喜ばせるためという効果も狙っているのだろう。
●5年生なんかもう嬉しくなっちゃってて、観客席の前に立ち上がって並んで、誰に言われたでもなくみんなで1年生にあわせて一緒に踊っちゃったりしてた。いい話だ。
●この音源は、ここ数年いろいろ探したが、どうもCD化はされていないという結論に達しざるを得ない。NHKの幼児番組でも「チェチェコリ」は入っていたりもするが、借りてみると、歌い手はもちろん、アレンジも全く別のもの。わたくしが持っているのは、カセットのダビングで、すりきれているもの。
●この件に関しては、ネット上での言及には出逢ったことがないので、たぶんわたくしの新見だと思う。ボーイスカウトあたりでの享受に関しては結構言及はあるんですが。
●とにかく、このアレンジの「すごさ」を広めたいのだが、CD化してくれませんかね、東芝EMIあたりで。火がつけば火がつくよ。(04/08/09)

転載終わり。

このあと、youtubeでレコードを探してアップされた方がおり、容易に耳にしやすくなった(私のこの記事を参考にしてくださっていて、そこでは情報元として私のかつてのサイトへの謝辞をいただいている。ただ、それも、大杉久美子のレコード群をまとめておられたサイトの管理者の方がおられたから可能だったことで、感謝申し上げたい。
そしてそのあと、おそらく小学校現場からの切望が大きかったゆえか(各小学校でカセットテープのダビングにつぐダビングがなされていたのである)、「ヒットヒットマーチ2014」にボーナストラックとして収録されることになるのである。むろん即買った。そしてそのベースラインやアレンジメントを堪能したのである。(のち「2018」にも収録された模様)